世界との身長の差

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ビッグサーバー≒高身長

日本人初となる記録を次々と塗り替え、トップレベルのテニスプレイヤーとして活躍する錦織だが、その体格の小ささを指摘されることも多い。

錦織の身長は公称178cm、錦織と同じ世代(25~29歳)の日本人男子の平均身長は171.96cmなので、それは軽く上回っているものの、それはあくまで普通の日本人の中での話である。錦織が海外のテニス選手と並んでいる写真などを見ると、確かにかなり小さく見えることも少なくない。では実際にどのくらい小さいのかというと、最新の世界ランキングの上位100人を背の高い順に並べたときに、錦織は87番目になる。ちなみに上位100人の平均身長はというと、186.9cmである。まあ、これでは錦織が小さく見えるのも仕方ないだろう。


テニスでは身長が高いことは、大抵の場合で有利に働く。その最たるものがサーブだろう。

■ビッグサーバーの身長
 身長エース/試合
イズナー208cm23.0本
カロビッチ211cm20.7本
ミュラー193cm15.3本
キリオス193cm13.8本
K・アンダーソン203cm13.1本
ラオニッチ196cm12.7本
クエリー198cm12.6本
F・ロペス188cm10.8本
チリッチ198cm10.2本
アルマグロ183cm9.8本

上の表は過去1年のATPツアーで1試合あたりのサービスエースが多い上位10人の一覧である。5セットマッチと3セットマッチとの差をどう考慮しているのかは不明なのだが、ATP公式ページのランキングなので、たぶん問題ないか、大して関係ないのだろう。

上位の二人、イズナーとカロビッチの1試合あたりのサービスエースが1年を通して平均しても20本を超えているという脅威の数字や、一人だけ身長が180cm台のアルマグロの奮闘ぶりも気になるのだが、ひとまずこの上位10人の身長を平均してみると、パッと見で何となく分かる通りこれが高い。なんと197.1cmにもなるのである。ランキング上位の選手の平均身長186.9cmすらも余裕で見下ろしてくる高さなのだ。高い身長が高いサービス支配力とずばりイコールではないものの、かなりの関係があることは間違いないだろう。

ワールドグループで最低身長なのが日本

日本人の平均では背が高い方に入る錦織が、ATPツアーにおいては身長が低い方に入ってしまうということ、それはつまり当たり前だが、日本人の平均身長が低いということを意味している。昨年のデビスカップの代表として戦った錦織、杉田、内山、ダニエル、西岡の5人の平均身長は179cmである。191cmのダニエル、183cmの内山と日本人としては高身長な二人がいるが、杉田が173cm、西岡は170cmなので、結局平均すると錦織の身長とほぼ同じということになっている。

世界ランキングの上位100人の平均身長からも予期できることだが、ワールドグループ出場各国の平均身長も日本と比べるとかなり高い。

身長については選手個人で強化する方法もなく、別に今さらどうしようもないのだが、幸いなことに日本人の平均身長は伸びてきている。錦織がデビューする10年前にあたる1998年のデビスカップ代表チームは、鈴木貴男が175cm、本村剛一が175cm、岩渕聡が170cm、金子英樹が170cmで、チームの平均身長は173.5cmだった。チームの構成人数が少ないデビスカップ代表の場合、188cmの松岡修造のような人材が現れるかどうかで、平均身長は大きく変わってしまったりもするわけだが、大きな方向としては大型化して来ていると言えるだろう。ものすごく長い目で見ていけば、和製ビッグサーバーが次々と登場して、欧米と同様のパワーテニスを繰り広げられるようになることも不可能ではないかもしれない。

が、来月に国内で予定されているフランスとのワールドグループ第1戦は今のメンバーで戦うしかない。第1戦にはエースの錦織がスケジュールとの兼ね合いから欠場することも発表された。日本のメンバーはまだ発表されていないが、ダニエル以外の誰が入っても、大抵はフランスのメンバーより背が低いということになるだろう。フランスのメンバーもまだ未定だが、フランスは世界ランキング30位以内の選手を5人も抱えているスーパーチームである。ランキング5位の錦織が抜けてしまうと、次は西岡の99位が最高位という日本代表は、色々な意味でジャイアントキリングの奇跡に挑むことになりそうだ。

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