グランドスラム 第1シードと第2シードの成績

グランドスラム

まさかの決勝戦


今回の全豪オープンでは、第2シードのジョコビッチが2回戦でイストミンに敗退。そして、四大大会で初めて第1シードとなったマレーがベスト16でミーシャ・ズベレフに敗退した。


少なくともベスト8までは安泰と思われた新ビッグ2が敗れ、決勝は故障上がりのフェデラー、ナダルの旧ビッグ2同士の対決になるという、開幕前には思いもしなかった状況となった。そして、なんと女子の決勝もセレナとビーナスの姉妹対決となっている。

グランドスラムの決勝でフェデラーとナダルが対決するのは2011年の全仏以来5年半ぶり、セレナとビーナスがグランドスラムの決勝を争うのは2009年のウィンブルドン以来、そして、グランドスラムの決勝で男子がフェデラーとナダル、女子がセレナとビーナスの4人で争われるのは、2008年のウィンブルドンの決勝以来となる。

9年近くも前の組み合わせが再び実現するとは、まさに驚きとしか言いようがない。この4人がそれだけ長い期間に渡ってトップフォームを維持しているのだということを改めて思い知らされる。

第1シードと第2シードの敗退基準

大注目の決勝戦となった全豪オープンだが、男子については大波乱の大会だったとも言えるだろう。

これまで抜きん出た安定感を誇っていたマレー、そしてジョコビッチにとっては残念な大会となった。

ただ、2回戦で敗れたジョコビッチとは異なり、マレーはベスト16まで進出している。普通の選手にとってみればベスト16はまあまあと言える成績である。確かに第1シード=一番強い(と思われる)選手ではあるが、ベスト16では第1シードとして不十分な成績なのだろうか?

この20年に開催された四大大会は80大会。1999年の全豪と全米のサンプラス、そして2009年のウィンブルドンでナダルが第1シードの予定だったが、直前で欠場したため、80回のグランドスラムに出場した第1シードは77人となる。その第1シード77人の成績をまとめると下記のようになる。

■グランドスラム第1シードの成績(1997~2016年)
成績人数
優勝32人41.6%
準優勝12人15.6%
ベスト410人13.0%
ベスト87人9.1%
ベスト165人6.5%
ベスト324人5.2%
2回戦5人6.5%
初戦2人2.6%

この20年、グランドスラムの第1シードの優勝確率はなんと41.6%にも達する。準優勝も含めると、57.2%になり軽く半分を超える。ベスト4だと約7割、ベスト8となると過去のナンバー1シードの8割近くが達成しているのだ。これを見ると、今回の全豪オープンの第1シード、マレーのベスト16という結果が喜べないものであるのも当然だろう。

では、2回戦で敗退してしまった第2シードのジョコビッチの場合はどうなのだろうか。

第1シードと同じ期間、この20年での80回のグランドスラムにおける第2シードの成績は下記である。

■グランドスラム第2シードの成績(1997~2016年)
成績人数
優勝16人20.0%
準優勝15人18.8%
ベスト413人16.3%
ベスト810人12.5%
ベスト168人10.0%
ベスト325人6.3%
2回戦8人10.0%
初戦5人6.3%

第1シードと比べると、優勝の確率は半分以下の20%まで減り、では準優勝がそれだけ増えるかというとそんなこともなく、全体的にバラけた結果となっている。1つシードが変わると、これだけ結果が変わるということからも、テニスでは実力に少しでも差があると、結果に影響してくるということが言えるのかもしれない。

それでも、この20年のグランドスラムで第2シードがベスト16まで残っている確率は77.3%、ベスト32まで広げると83.6%もある。まあ当たり前なのだが、2回戦で負けてしまったジョコビッチは、確率から言ってもやはり番狂わせということになるだろう。

今回の全豪オープンでは、旧ビッグ4のフェデラー、ナダルの2人を筆頭に、30代のミーシャ・ズベロフ、イストミンの伏兵が活躍する結果となった。不発に終わったラオニッチ、錦織、チリッチの次世代トップグループ、同じく不完全燃焼気味なキリオス、アレクサンダー・ズベロフらのヤングジェネレーション、そして何よりもトップ選手と戦うことなく大会を去ったマレーとジョコビッチのツートップがこれからどう巻き返していくのか、もう1枚のジョーカー、デルポトロも今後のツアーには参戦してくることが予想されるだけに、今後の展開が見通せない波乱含みのシーズンの幕開けとなった。

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