カロリーナ・プリスコバがブリスベンを制して今シーズンを好スタート(ブリスベン/オーストラリア)

WTAツアー

プリスコバの覚醒

WTAツアー、今シーズンの開幕戦で最もグレードの高い大会となるブリスベンを制したのは、チェコのカロリーナ・プリスコバだった。

ブリスベンの優勝でツアー通算12勝目となるプリスコバは、これで2013年から7年連続でタイトルを獲得したことになる。2016年から昨年までの3年は複数回の優勝を果たしており、今シーズンの活躍もこれだけでは終わらない可能性は高いだろう。

シーズン開幕戦を制した勢いを駆って、プリスコバが今シーズンにグランドスラムを初制覇したとしても全く不思議ではない。既に2017年にはランキング1位に輝いていることも含め、ランキングのトップ20を3年以上も維持しているプリスコバには、十分にその資格があるはずだ。

ただ、長くトップ選手の立場に位置しているプリスコバだが、グランドスラムでの実績が伴って来たのは、比較的最近のことになる。

■カロリーナ・プリスコバのグランドスラム成績
全豪
全仏
全英
全米
年齢WTAランク結果WTAランク結果WTAランク結果WTAランク結果
2010年18歳199位予選敗退207位予選敗退
2011年19歳209位予選敗退257位予選敗退出場せず185位予選敗退
2012年20歳147位予選敗退122位1回戦119位1回戦112位予選敗退
2013年21歳119位1回戦73位1回戦77位2回戦72位1回戦
2014年22歳70位2回戦53位2回戦50位2回戦42位3回戦
2015年23歳20位3回戦12位2回戦11位2回戦8位1回戦
2016年24歳12位3回戦19位1回戦17位2回戦11位準優勝
2017年25歳5位ベスト83位ベスト43位2回戦1位ベスト8
2018年26歳6位ベスト86位3回戦8位ベスト168位ベスト8

20歳の時にクアラルンプールでWTAツアーの初タイトルを獲得しているプリスコバは、それほど遅咲きの選手ではないのかもしれない。キャリアを重ねるにつれてWTAのランキングも順調に上昇している。

しかし、グランドスラムとなると、24歳となる2016年のウィンブルドンまでの24大会で、最高成績が3度の3回戦進出までと全く振るわなかった。

それが2016年の全米で一変する。

第10シードで出場したプリスコバは、鬼門の3回戦で第17シードのパブリチェンコワを退け、ベスト16に初めて進出すると、4回戦で第6シードのビーナス・ウィリアムズ、準々決勝でノーシードで勝ち上がって来たクロアチアのコニュを破り、準決勝では第1シードのセレナ・ウィリアムズを退けて決勝に勝ち上がったのだ。

決勝では、この年の全豪オープンでグランドスラム初制覇を成し遂げていたドイツのケルバーにフルセットの末に敗れて準優勝に終わったが、これまでの実績からは予想出来ないほどの活躍だったと言えるだろう。

そしてこの全米の後、2018年全米までの8つの大会でのプリスコバの成績は、ベスト4が1回、ベスト8が4回、ベスト16が1回、3回戦が1回、2回戦が1回で、1回戦負けは無しである。

覚醒とはこういうことを言うのだろう。

2年前までベスト16に進出したことがなかった選手が、いまやベスト8が当たり前という位置につけている。2年連続でベスト8となっている全豪と全米に比べ、全仏とウィンブルドンの成績が見劣りするが、プリスコバはクレー、芝、どちらのツアータイトルも持っており、一番得意なのがハードコートなのは間違いないとしても、他のサーフェスでもチャンスはあるはずだ。

まさに今、初のグランドスラムタイトル獲得を強く期待される選手の1人と言えるだろう。

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