プロテニス選手が履いているシューズ(女子篇)

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2025年全豪オープン、女子シングルス本戦で履かれたシューズ

2025年全豪オープンのシングルス本戦を戦った女子選手が履いていたシューズのメーカーをグラフにしたのが下記である。

※男子選手のシューズはこちら

3大メーカーのパワーバランス

女子選手全体で見ると17ものメーカー、ブランドのシューズが使用されたが、アディダス、ナイキ、アシックスの3メーカーだけで全体の半分を少し上回るシェアを占めている。

男子ではトップシェアだったアシックスだが、女子ではアディダスがトップのシェアを占めており、それに続くのがナイキ、そしてアシックスという順番になっている。

シード選手に絞ると、アディダスは6人、ナイキは7人の選手を擁しているのに対し、アシックスは3人となっており、トップ選手におけるシェアとなると、男子以上にアディダス、ナイキはアシックスに対して優位性を保っていると言えそうだ。

ウェアとの合わせ技

テニスのプレーを左右するという点でシューズの占める要素は大きく、選手にとっては大事な商売道具である。ただ、観客から見ていて目立つのはウェアであることが多い。何かとウェアについて話題に上がることの多い女子選手の場合はなおさらかもしれない。

メーカーにとって宣伝効果の高い有力選手に限られたことになってしまうのだろうが、シューズを作るメーカーが、シューズだけでなく、ウェアも一緒に提供することで、ブランドを大きくアピールしたいと考えることは当然だろう。

この点において、トップのアディダスとナイキは隙が少ないように見える。

もともとアパレルに強いということもあるのだろうが、アディダス、ナイキのシューズを履いている選手の多くが、ウェアについても同じアディダス、ナイキを選択している。

全豪オープンでアディダスのシューズを履いた26人の選手のうち、19人がウェアもアディダスを選んでおり、ナイキも22人中19人がナイキのウェアを着用しており、比率ではアディダスを上回る着用率となっている。

特にシード選手については、アディダス、ナイキとも全員がシューズと同じメーカーをウェアでも選択しており、鋼の結束力を見せている。

となると、3大メーカーで残ったアシックスには大きな隙があるような感じになってしまうが、まあそんなこともなく、アシックスのシューズを履いた18人の選手のうち、12人はアシックスのウェアに袖を通している。大抵の選手はアシックスブランドで身を固めているものの、アディダス、ナイキと比べると、若干比率が落ちてしまうというだけである。

実際、女子選手の中で「アシックスファミリー」とメーカーのアシックスに公認されながら、アシックスのウェアを着用していないのは、チュニジアのジャバーくらいだろう。彼女の場合はサウジアラビアのアパレルブランド「Kayanee」のアンバサダーのようなので、アシックスのテニス部門にとって最重要の選手と思われるジョコビッチがラコステのウェアを着用しているのと同様に、ジャバーのネームバリューを考えれば、たとえウェアにアシックスのロゴマークが入らなくても、シューズのスポンサードを続けた方が良いというメーカーの判断が働いているのかもしれない。

アシックスのシューズを履いたシード選手の中では、プチンツェワもアシックスのウェアを着ていない。ただ、おそらく彼女は現時点でアシックスのスポンサードを受けているわけではなく、彼女の選択でアシックスのシューズを履いて全豪オープンに臨んだのだと思われる。

シューズとウェアの合わせ技ということに関して、特筆すべきメーカーはホマだろう。ホマのシューズを履いた7人全員がホマのウェアを着用しており、ナイキでも達成出来ていないシューズ&ウェア着用率100%を実現している。そして、相当数の選手に愛用されながら、シード選手は1人もいないというところもホマらしいという感じもしてしまう。

マイナーながらも侮れないメーカー

着用している選手の人数が少なくても存在感のあるメーカーとしては、K-Swiss、ラコステ、ニューバランス、そしてオンを上げることが出来るだろう。

K-Swissは着用している6人のうち、半数の3人がシード選手というクオリティの高さを誇っている。ただ、トップ10のコリンズはともかく、25シードのサムソノワ、26シードのアレクサンドロワというメンバーはシード選手の中ではさほど目立つ存在ではなく、クオリティの高さをウリにするには少し物足りないというところが弱点かもしれない。

ラコステも着用している選手は5人ながら、シード選手2人を擁しており、こちらも少数精鋭な布陣となっている。シード選手のラインアップは、18シードのドキッチと27シードのパブリチェンコワとなっており、シード順位以上に知名度と実績のある2人と言えるだろう。ただ、ラコステはこの2人を除く3人はウェアもラコステで固めているのに、肝心のシード選手の2人はウェアがラコステではないという結果となっている。ラコステ側の事情なのか、選手の都合なのか、まったく分からないが、チームラコステとしてのアピール度合いが落ちてしまうことは間違いないだろう。

ニューバランスのシューズもラコステと同じ5人の選手が着用しているが、シード選手は1人しかいない。ただし、その1人がガウフであること、そしてガウフはニューバランスのブランドを代表するアスリートとして、メーカーの広告の前面に押し出されているので、ガウフ=ニューバランスのイメージは、かなり定着していると言えるのではないだろうか。

同じく、着用選手は2人と少数ながら、そのうちの1人がシフィオンテクであるONもブランドのイメージ定着に成功しているメーカーと言えるだろう。

メーカーと選手の関係がうまくいくのかどうかは、様々な要因に左右されるのだろうが、大会が盛り上がる終盤まで勝ち残ることの出来る有望選手が引く手あまたであることは間違いないだろう。

2025全豪オープンテニスで履かれたシューズ(女子)

メーカー選手数
Adidas26
Nike22
Asics18
Yonex7
Joma7
Fila7
Wilson6
Mizuno6
Lotto6
K-Swiss6
NewBalance5
Lacoste5
On2
FP Movement1
Emporio Armani1
Babolat1
Aesem Athletica1
不明1

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